グループ登山の注意点|登山入門ガイド
山仲間がいたほうが、感動を共有でき山をより楽しめます。
しかし其々の山に対する意識が低いと、思わぬミスが発生し、遭難することもあるのです。
グループ登山の注意点を抑えておきましょう。
1.初心者すぎるグループ
ステップアップを目標にした登山教室山やツアーで出来た仲間は、企画している会社の決まりごとの中、同じ方向を見てステップアップしているので、素敵な山仲間が出来ると思います。
単発の登山ツアーに参加して気の合う人を探したり、ネットで山仲間を募集しているグループに参加したりする方法もありますが、このような場合、うまくいった事例もありますが、心配事もあります。
実際、誰がリーダーとなって最終判断をするのかなど明確になっておらず問題が発生。
山仲間がほしかっただけで、お互いに経験もなく、リーダーとなって最終判断する人がいなくて、リーダー資質でない人がリーダーだった場合は、目指す山は同じなのに山に対する考え方がバラバラで最悪の事態が起こりかねないのです。
2.お喋り大好きグループ
気の合う仲間が出来たとします。
楽しくてお喋りに夢中になりすぎて、分岐点を通り過ぎていることに気付かず歩き続けてしまう場合があります。
そのためにも地図をみて登山計画をたてて、常に確認しながら歩くことが必要でしょう。
気が付いたら戻ればいいのですが極端な話、1時間真っ直ぐ歩いた先が分岐で右に下りるはずなのに、2時間も歩き下っていたとしたら、戻るためには1時間以上かけて登り返さなければいけません。
予定時間も遅くなり、余分に歩いたがために体がバテたり、気持ちがマイナスになったりすると、気まずくなりますね。
気まずいだけならいいですが、動けなくなったりしたら遭難です。
3.他人に気遣いしすぎるグループ
キチンと登山計画を立ててグループ登山をしていると、自分の都合で皆の足を止めてはいけない、心配をかけてはいけないと感じ我慢してしまうことがあります。
例えば、頭痛がするなどの体調不良。
靴の紐がゆるんできたから直したいけど、ギリギリまで我慢しようとか。
特に男女混合のグループ登山の場合には、女性が男性にいいにくいことだってあります。
体調不良を我慢して頑張って登っていても、それが高山病だったら高度を上げるごとに悪化するわけですから黙っていたからといって回復する見込みはありません。
靴の紐が緩んだ状態で歩き続けたら、足者が不安定になり怪我のもとになります。
女性が男性に言いにくいことは、今後の付き合いも考えた上でもう少し気遣ってほしいと勇気をもって告げることをお奨めしますが、中々いいだしにくいかもしれません。
しかし、不快な思いで登山を続けていると態度や顔にも出ますし、周囲もどうしたのか気になりますし、何より自分自身の気持ちが散漫になり怪我の要因となります。
直接的なことを言わなくても告げ方の方法はあると思います。
さて、事例に挙げた3人が一緒に行動していたとします。
1人が体調不良を隠して我慢していて、1人が突然の月経で不快な思いとトイレに行きたいのを我慢していて、唯一元気な1人が原因のわからない無言で不穏な場を無駄に盛り上げようと気を使って、靴紐が緩んでいたがために怪我して動けなくなったとしたら・・・もう最悪です。
そうなる前に、解決策はあったはず。
勿論お互いを気遣う心は必要ですが、何が原因で今自分がどうゆう状態なのかは仲間にキチンとつげましょう。
明らかに体調が悪そうなのに心配させまいと「大丈夫」といい続けた人が、翌朝高山病を悪化させて隣で亡くなっていたというケースだってあるのです。
山は自己責任とはいえ、そうなった場合、仲間も深い傷を負います。
ここで1つ勘違いしてほしくないのは、山を好きになった皆さんが、仲間と楽しく安全に山を歩き、より深い部分で心を通わせてほしいために書いているわけであって、山は危険で怖いんだぞ~~と、脅しているわけではありません。
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